2011年01月30日
道夫秀介の「月と蟹」
最近寒い日が続くのでアウトドアがさっぱりな毎日
部屋に篭って本ばかり読んでいます (T_T)
部屋に篭って本ばかり読んでいます (T_T)
先日発表された第144回直木賞
道尾秀介さんの「月と蟹」
木内昇さんの「漂砂のうたう」のダブル受賞となりました
道尾秀介さんの「月と蟹」
木内昇さんの「漂砂のうたう」のダブル受賞となりました
今回は思いっきり本の記事です
興味の無い方スルーお願いいたします(^^♪
ネタバレあります

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月と蟹
道尾秀介著
2010年9月発行
㈱文芸春秋

慎一くん

お母さん、お祖父ちゃんと3人で暮らしています。

同じクラスの春也くん

春也くんも慎一くんと同じ転校生なので友達がいません。

しかたが無いのでいつも2人で磯へ行き「ブラックホール」と名付けた
ペットボトルのビンドウで小魚や蟹、ヤドカリを捕まえて遊んでします。

慎一くんと春也くんには悩みがあります。

慎一くんはクラスメイトからのいじめとお母さんの新しい恋人
春也くんはお父さん、お母さんからの虐待です。
ある時慎一くんと春也くんはおじいちゃんに鎌倉の鶴岡八幡宮の祭り
へ連れて行ってもらいます。




おじいちゃんの話によると八幡宮の近くにある建長寺の岩は
風が吹くと唸り声を上げるそうです。

2人は怖いもの見たさで岩を見に行きます。
昔処刑場の死体置き場だったとっても怖い洞窟や風が吹くとほんとうに
唸り声をあげる岩、怖くてとっても神秘的な出来事でした。

次の日慎一くんと春也くんはガドガド裏山で大きな岩のある秘密の
場所を見つけます。


岩の窪で2人は小魚やヤドカリを飼う事にしました。
ある時恵比寿さんの様な顔したヤドカリ見て
春也くんは言いました「これ、ヤドカリやなくてヤドカミやな」

「神様に似てるから?」と慎一くん。


慎一君はヤドカミ様にお願いをしました

「お金をください」次の日2人は500円玉を拾いました。
また慎一くんはヤドカミ様にお願いをしました

「いじめっ子のまき岡くんが不幸になります様に」
次の日まき岡くんは怪我をして学校を休みました。
今度は春也くんがお願いをしました

「お金が貰えますように」次の日春也くんは磯で100円玉を拾いました

しばらくすると鳴海ちゃんが仲間に入りました。

鳴海ちゃんのお母さんは
慎一くんのおじいちゃんが運転する船に乗り亡くなりました。

そしてヤドカミ様へのお願いはだんだんと
切実なものに、怖いものになりました。

小学5年生の慎一、春也、鳴海の春から夏へかけての物語です。



子供ならではの悩みと残酷さで物語は進んでゆきます。
読み終えると少しだけホッと少しだけ甘酸っぱい感が残ります、CCレモンくらいでしょうか。
「え~小学5年生がここまで人の心を深読みする?」ってツッコミ所もいくつ有りましたが
それを言っちゃうと物語が成立しません(笑)
「光媒の花」や「球体の蛇」など最近は暗い作品が多い道尾さんですがこの物語も余り明るくはないです。明るくポップなものは受賞が難しいのでしょうか?

受賞後に道尾さんが幾つかのインタビューやTBS系の「情熱大陸」へ出演されているのを目にしました。
普段はビッグマウスで知られる氏ですが、机に向かうのが怖いとの事。
人気作家さんの違う一面を見た思いでした。
追記
カラスの親指
日本推理作家協会賞を受賞し、初めて直木賞候補にもなった作品です。
こちらはスカッと爽やかコカコーラの様なお話。一番好きな道尾作品です。
おわり

Posted by あお. at 10:34│Comments(2)
│出来事
この記事へのコメント
こんばんは。
相変わらず色々と本を読んでますね。
私、最近全然読めてません(T_T)
最後によんだのは・・・虹色蛍か永遠の0だったかな?
ちょっとこの本読んでみたくなりました、買ってこよう。
相変わらず色々と本を読んでますね。
私、最近全然読めてません(T_T)
最後によんだのは・・・虹色蛍か永遠の0だったかな?
ちょっとこの本読んでみたくなりました、買ってこよう。
Posted by ヤマオ at 2011年01月30日 21:35
☆ヤマオさん
川口雅幸さんの「虹色ほたる」私も図書館の予約入れているのですが
まだまだ先のようです(T_T)
「月と蟹」はなかなか良かったです
時代もナチュブロのお父さん方の子供時代と重なると思います
川口雅幸さんの「虹色ほたる」私も図書館の予約入れているのですが
まだまだ先のようです(T_T)
「月と蟹」はなかなか良かったです
時代もナチュブロのお父さん方の子供時代と重なると思います
Posted by はらぺこあおむし
at 2011年01月31日 20:48

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